音がユヅに共鳴して

何か吹っ切れるようなクレイジーな曲

というコンセプトの元に選ばれた

今プログラムは

昨年この世を去ったプリンスの

LetsGoCrazyだ。

1984年の自伝的映画

パープルレインの

オープニングに使われている

重要な曲である。

映画のストーリーは

極めてシンプルだ。

問題家庭に育った

才能溢れる主人公が

バンド仲間や恋人

夢や現実の中で

やがてスターへの一歩を

踏み出すという青春物語である。

脚本が素晴らしく

主人公のナイーさと暴力性

愛情を欲する姿と不器用さ

真実と嘘

神を求めながらも冒涜する

その両面性が鮮やかに描かれている。

自伝的とうたっているのは

実在する登場人物の立ち位置や

エピソードを

ある程度変えているからだ。

アルバートマグノーリ監督が

うまいことを言っている。

架空のストーリーに合わせて

キャラクターを誇張したり

あるいは抑えたりしたが

奇妙なことにそれは

彼らの現実でもある。

フィギュアスケートもまた

競技であると同時に

演目は競技者の史実である。

羽生はその時間自身である以上に

ロミオであり

安倍晴明であり

場合によっては神であり

悪魔であり

プリンスなのだ。

今の境遇が嫌だって?

周りを見渡してごらんよ。

友達くらいいるだろ

二本のギターが

互いを追いかけるように並走するリフは

羽生のキレを一層引き立たせる。

俺なんて昔の彼女に

友達として電話したら

受話器をとったはいいけど

すぐに床に落とされたよ。

聞こえてきたのは

Ah-sah-s喘ぎ声さ!。

たびたびセクシーかつ露骨な表現で

世間を騒がせたプリンスだが

羽生との共演は想像していなかった。

この楽曲には

様なジェスチャーが登場し

歌詞と振付がシンクロするので面白い。

前述の部分では電話ポーズが

確認できるはずだ。

演技中に何度となく天を指さすのは

落ちるな!アゲていけ!楽しめ!

といった感じだろう。

直後のLetsgetnutsイカレちまおうぜに

変形ランジをはめ込んでいるのは

振付師ジェフリーバトルの

チャーミングなところだ。

人差し指と小指を立てる

コルナサインに気が付かれただろうか。

これはRockonの意味だが

もともとサタンを表すサインから

生まれたものだ。

プリンスの映画やライブでも

たびたび登場する。

連続シットスピンの後には

やはりロッカーが大好きな

666のジェスチャーもあるので

これにも注目してみよう。

ギターソロが始まると

見せ場のステップが

たっぷりと待っている。

バトルはシーズン前に

ギターソロの音が

ユヅに共鳴して感じられた

と言っていた。

ギター二本による

オクターブのユニゾン

プリンスと羽生

あるいは羽生とバトルなのかもしれない。

鳴きのギターソロではギタリストの

いわゆるのけ反りポーズが

表現され、歓声がひときわ大きくなる。

ワウをめいっぱい効かせた速弾きに

高速スピンが応える。

Takemeaway終わった後の

疲労感を伴う余韻が心地よい。

なんて楽しいプログラムだろうか。

アンコールをしたくなる雰囲気である。

このプログラム曲で一か所

謎めいたところがある。

よく話題になる箇所だ。

パープルバナナを探しに行こう。

俺らの死体が

トラックに積み込まれるまでに。

紫のバナナの解釈は多数あるが

いまだ定説はない。

ここは永遠に謎のまま

プリンスは次なる世界へ旅立ってしまった。

おそらく

死んじゃう前にうんと楽しめよ

ということなのだろう。

END

王者羽生結弦が演じるプリンスの秘密より

本当に細部にまでこだわった

見所満載のプログラムだった。

もうちょっと見ていたいプログラム

でもショートも新プログラムかな。

またどこかで見せてくれるよね。

今日のゆづはトロントの空の下

最高気温は16度、晴れ時曇り

元気にご飯食べて

笑顔でいてくれますように。

最後まで読んでいただいて

ありがとうございました。

画像お借りしました。

フィギュアスケートランキング今晩は満月だよ〜